流動性のある粉体、粒体の高精度な連続均一乾燥、連続均一熱処理にロータリーキルン SGVシリーズ

ロータリーキルンSGV型

電池材料、セラミック材料、カーボン、樹脂材料などのように高品質化が求められる原材料では、 加熱温度履歴や雰囲気条件、キープ時間などに高い精度と均一化が必要です。 多量の粉粒状物質を乾燥、熱処理するには、静置型の熱処理方式やバッチ方式に比べ、連続供給排出が可能なロータリーキルンが最適です。

ロータリーキルン(SGVシリーズ)は、 【ラセン溝】(レトルト内壁に固定した案内羽根によって形成) に沿って原料を移動させる当社独自の方式により、連続式で高精度な温度履歴 の均一加熱処理を実現しました。 原材料特性を考慮した最適熱処理のためのレトルト材質選定や温度・時間・雰囲気制御、 供給/排出の自動化などのご要望にお応えし、コンパクトな装置を提供します。

外熱式連続炉

レトルト外面をヒーターで加熱。
レトルト内壁に案内羽根(GV:ガイドベーン)を溶接固定し、これにより形成された 【ラセン溝】に沿って原料が移動する構造。
正回転と逆回転のサイクルを規則正しく制御することで、高回転数でも長時間滞留が可能で、【ラセン溝】によって高精度で均一な熱処理ができる。
1サイクルの正回転数と逆回転数の差だけ原料は排出口に移動する。
処理条件は回転数と正転、逆転の時間で設定する。

外熱式連続炉

デモンストレーション動画

  • 動画運転条件
  • 回転数 3回転/分
  • 正回転 20秒(1回転)
  • 逆回転 10秒(0.5回転)
  • 結果 材料は1分で1回転分だけ排出側へ移動

SGV型ロータリーキルンの特長

  • ・連続で高精度な均一乾燥、均一熱処理ができる。

    被加熱物はラセン溝内を進むため投入時刻の違うものは混ざらない。ヒーターを複数のゾーンに分け、各ゾーンで

    任意に温度制御。その温度パターン通りにムラなく加熱される。

  • ・高回転、長時間処理でも均一な熱処理ができる

    高回転でも投入前後の物が混ざらず、ラセン溝内を移動。回転数と正転逆転の回転数差で滞留時間を制御できる。

  • ・コンパクトな炉で大量の処理が可能

    ラセン溝の深さを超えないレベルなら均一処理可能。充填率30%でもOK。

  • ・乾燥エアーの導入や雰囲気制御が可能

    レトルト内への熱風導入や、酸化雰囲気、無酸化雰囲気等可能。

  • ・レトルト胴体の材質は用途、熱処理条件に合わせ選定

    処理温度、腐食性、雰囲気に合わせSUS304,SUS316L,SUS310S,インコネル等選定。

  • ・供給/排出の自動化、集塵粉のリターン、品温測定等も可能

主要仕様表

形式 処理能力※1
(リットル/h)
D(mm) L1(mm)※2 L2(mm)※2
SGV-0620 70 600 2,000 3,500
SGV-0820 130 800 2,000 3,500
SGV-0840 250 800 4,000 6,000
SGV-0860 380 800 6,000 8,500
SGV-1060 600 1,000 6,000 8,500
SGV-1260 900 1,200 6,000 8,500
SGV-1280 1,200 1,200 8,000 11,000
SGV-1380 1,400 1,300 8,000 11,000

※1 加熱処理時間が2時間の場合のMAX能力(加熱処理1時間の場合は2倍の能力になる)
※2 最高加熱温度やオプションにより変動

制御用タッチパネル表示例

実証テスト機を活用ください

ロータリーキルン方式の乾燥、熱処理を検討しているが、
〇ロータリーキルン方式での乾燥、熱処理が可能か?
〇どれくらいの時間、温度で熱処理できるのか?
〇生産機の大きさ、仕様を決めたい。
等でお悩みのお客様のために実証テスト機を準備しています。

実証テストの結果から最適なロータリーキルンを設計、提案します。 お客様が検討しておられる材料仕様や乾燥・熱処理条件、目標仕様をお聞かせいただき、 事前打合せのうえ、実証テストの方法やスケジュール、費用等を決めて進めます。 (材料の流動性や発生ガス等から判断し、お断りさせていただく場合もございます。)

実証テスト機の概要
名称 ロータリーキルン実証テスト機
炉体寸法 mm φ300×L1300
加熱有効長 mm 500
最高温度 800℃
加熱ゾーン 1ゾーン(プロコン制御)
ヒーター容量 7.5Kw
回転数 1~3rpm
雰囲気ガス 空気、N2、O2

ロータリーキルン実証テスト機

このテスト機は加熱帯が1ゾーンのみですので、一定温度で熱処理する場合は連続処理が可能ですが、熱処理温度を時間経過とともに変動させる条件の場合はバッチ処理になります。また窒素ガスや酸素ガスを流して雰囲気を制御した熱処理も可能です。